secret name ~番外編~
本当にこの男は、恋人の事となると豹変する。
普段は礼儀正しく、冷静で、優しいと。仲間内でも評判なのに、ノーヴェの事となると、いきなり表情に締まりがなくなるのだ。

容姿が容姿なだけに、本当に残念な男だと、トレは思う。

「あ、あの音!」
「「?」」

2人にはセッテの言う音が、どの音かわからない。

「ノーヴェの音や!」

若干どころではない。
ドン引きだ。
だんだんと近付いてくるバイクの排気音は、本当にノーヴェのものだったらしい。
「そ・・・それじゃ、私達事務所行くから。」
「・・・風邪、ひくなよ。」
セッテの耳には、届かない。
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