secret name ~番外編~
セッテは佳乃が見えなくなるまで見送った後、呆然と立ち尽くしていた。

彼女の気持ちには、応えられない。

自分には結婚を決めた人が居るのだから。

佳乃もそれを分かっていて、自分に気持ちを打ち明けてくれたのだろうが、今とても混乱している状態だ。
一方的に、返事も求められてはいないが、どう感情を処理していいか答えがでない。

いつの間にか握りしめていたビジネスバッグをつかむ手が、汗をかいているのに気が付いた。

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