secret name ~番外編~
嬉しそうと言っても、多分近しい者にしかわからないほどの微小な変化だが、それでもセッテにはすぐわかる。
彼女には、誰かに好意を寄せられた喜びと、プリンを食べる喜びが、同じ“嬉しい”なのだろう。

知ってはいても、複雑な気分だ。
まるで、自分の事もプリンと同じように思われているようで。
あと少しだったグラスの中のビールを飲みきると、すかさずノーヴェは注いできた。

彼女の素直な意見は、きっと正しい。
好意を寄せられて、嬉しかった。
ただ、それをすぐにあらわせなかった。
< 57 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop