secret name ~番外編~
自分達の結婚式の写真が印刷された年賀状。

たくさんある結婚式の写真の中から、ノーヴェが口元だけでも微笑んでいるものを探し、絞り込んだ1枚。

「・・・買い物して、帰ろか。」

今幸せだと、知らせたかった。
佳乃のお陰で成長出来た自分が居る事を、知って欲しかった。
あの空港で別れて以来、二度と出会う事の無かった、彼女に。

2人は来た時と同じく、バイクに乗って走り去る。
年賀状はポストに入ったまま、新年になる前に、親切な近隣住民の手によって、佳乃の部屋へと投函し直された。
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