secret name ~番外編~
そして、新年。
里帰りから戻った佳乃の手に、あの年賀状はあった。
『あけましておめでとうございます。
三上 真也 』
本名の書かれた、幸せそうな年賀状。
自分なりにけじめをつける気持ちで、佳乃が知りたがった本名を書いた。
手にした彼女がどう思ったか、当然セッテは知らない。
それでも、ノーヴェが出してくれたおかげで、自分の中で区切りが出来たのも確かだ。
神社で初もうでをしながら、彼女を思う。
(ありがとうな、高村さん。ジブンも幸せになってや。)
感謝と、祈りを込めて。