明日も桜が綺麗に咲いています
「前世のお前はどうだった?」

「相変わらずでした。でも・・・・」

「でも?」

優しく歳三さんが私に話しの続きを促す。

「最後に、歳三さんが抱きしめていてくれるのが見えました。」

「そうか・・・・」

「はい・・・」

最後にみた光景を思い出す。

優しく、愛おしそうに私を抱きしめていた姿。

その姿を彼女もみることができただろうか?

考えていると緩んでいた腕がまた強まる。

「なっ!!」

「ったく、お前は俺のことだけ考えていればいいんだよ」

「と、歳三さんのことを考えていたんですよ!?」

「前世の俺のことだろ?」

「そ、それは・・・・」

「このままお前が前世の俺ばっかりに気を取られちまったら、俺は前世の自分にまで妬かなきゃいけなくなっちまうじゃねえかよ」

そうは言うけれど声色からもうすでに妬いていることがわかる。

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