明日も桜が綺麗に咲いています
「また、あなたに逢える季節がめぐってきましたね。」
そういって彼女はそっと桜の木の下にある小さな石に手に持っていた桜の枝を供える。
そこに、だれが眠っているのだろうか?
「綺麗でしょ?あなたと植えた庭の桜が花を咲かせたんですよ?でも・・・」
そういって桜が咲き乱れる晴天を仰ぎ見る。
「あなたとの思い出の場所に咲く桜にはかないませんね。」
そうつぶやくとさあっと風が吹く。
そして
桜の花・・・いや華が彼女を優しく包む。
まるで夢のような世界。
いや、これは私の夢の世界なのだ。
だから、彼女は存在しない。
私の中だけの存在なのだ。