明日も桜が綺麗に咲いています

彼女は楽しそうに石に話しかける。

聞こえてくるのはたわいもない言葉。

でも、不思議とひきつけられるもの。

そして、彼女が話すたびに優しく桜の花が揺れる。

まるで彼女の言葉に桜の木がうなづいているかのようだ。

「・・・・さみしいんです・・・・」

ぽつんと、つぶやかれた言葉。

その言葉はよく聞こうとしなければ聞き逃してしまうような、小さな小さなもの。

でも、なぜだろう。

私の心にすっとなじむようなそんな感覚がした。

まるで昔から感じているような

そんな気持ちになった。

< 4 / 15 >

この作品をシェア

pagetop