詩集 詩悪魔 ―Daimon Poiesis―
苦楽の双子



『苦楽の双子』


苦痛が快楽に
焦燥は狂乱に
煩悶は愉悦に

久しく味わうことを忘れていた
腰から崩れ落ちるような
言い表すことのできない
狂気に満ちたこの全身の感覚
暗黒神の死の舞踏にも似た
恍惚と暴力に満ちたなにか
精神の墜落する瞬間に抜け落ちるG
その加速がたまらない
不意のエアポケット
思わぬところに仕掛けてある
まるで羞恥プレイみたいに
耐えさせられる
声すら漏れそうなのに

快楽はここから生まれ
ここで死ぬ
苦痛は快楽の双子
だが先に生まれ落ちたために
呪われる
呪いが先か誕生が先か
誰も知らない
知らなくていい

呪いを解く魔法を教えて欲しいなら
僕を抱くがいい
暴虐と誘惑に耐えられるなら

孤独を支配したいのなら







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