口笛が聞こえたら
そう
彼が持っているノートこそが
結夏と愛の交換ノート
『…………読んだ?』
予想はついていたが
一応聞いてみた
「えっもちろん」
えっΣ
当たり前のような
顔して青木くんは答えた
ってか
うそでしょ!?
もはや結夏は
動揺を隠しきれないでいた
『なんで勝手に!!』
「だって普通に机の上に
置いてたから♪」
………最悪だ……
自分にあきれて
後悔がこみ上げてくる
どーしよっ、、
最も恐れていたことが
起きてしまった
凹んで泣きそうな
結夏とは対象に
青木くんは
満面の笑みを浮かべている
愛は好きな人いないから
まだしも、私は思いっきり
書いてしまっている………。
『全部?』
「うんっ」
わーやばい
もう最悪!!
結夏にとって
ダメージが大き過ぎた
というものの
結夏の気になる異性とは、、、
「それにしても
まさか木下さん
城本が好きだったとはねぇ」
『………っ///』
名前を出された瞬間に
顔を赤くする結夏は
もはや反論をすることすら
できなかった
完全にばれてる...
城本とは数学教師であり
バスケ部男子顧問の
城本 颯人のことで、
結夏は密かに
“生徒”という立場から
彼に想いを募らせていた
いわゆる禁断の恋ってやつ?
この一年間
密かに
ずっと思い続けていた
「どこが好きなの?」
『もう言わないでよっ///』
「え~教えてくれないんだ」
口を膨らませる青木くんは
ニヤッと笑い
「なら、あいつ顧問だし
明日本人に『だめっ!』
青木くんは
顔立ち綺麗だし
確かにカッコいいけど
絶対Sだょ…
そして結夏は本人に
知られるのを恐れ
全てを話してしまうのだった
思い返せば
あれは一年前の入学式
初めて城本を見た瞬間
結夏に稲妻が走った
背が高く
少し黒めの肌
耳に髪をかけ
キリッとした瞳には
黒渕の眼鏡をかけていて
始業式だったため
ひげをそって
紺色のスーツを着ていた
そしてなによりも
低く色気を感じさせる声に
結夏は一発で
心を奪われたのだと
城本はその整った顔立ちと
ユニークな性格から
生徒をはじめ先生からも
人気が高かったため
実際に結夏の様に
城本に想いを寄せる者も
少なくはなかった
技術の補習は
ほとんどが城本目当てで
女子生徒が集まる
それほど人気が高いことを
結夏は知っていた
『内緒にしてくれるよね?』
「うーん……どーしよっ」
黒い笑みを浮かべる
青木くんに
結夏は完璧に遊ばれていた
「ならさ…」
『なに?』
「じゃあ、――。」