口笛が聞こえたら


「じゃあ――。」


何を言われるか予想もつかず
不安だけが込み上げてくる


結夏は
ごくりと唾をを飲み込んだ




「おいっ青木っ!
 プリント三枚に二時間もかけるなんて
 どんだけこった内容なんだぁ?
 たいしたもんだなぁぜひ俺も見てみた いもんだ」



「なっ城本っΣ」


そう、その場に現れたのは


結夏の意中である城本であった



城本先生はどうやら
バスケ部男子顧問として

青木くんの様子を
見に来たみたいで…


予想外の出来事に


結夏は顔を真っ赤にして

うつむいていた



「そこにいんのは木下か…?

 どうしたんだお前は?」


『えっえっと…忘れ物を…』


「そうか、気を付けて帰れよっ」



『はっはぃ!/////…』



結夏の照れた表情に

青木くんはクスッと笑った


「何笑ってんだ?
 
 青木さっさと来いっ」


そういうと城本先生は

無理矢理青木くんを

つねって引っ張って連れて行く



「じゃあな木下!」


『はっはい!さようなら』



その言葉を聞いた城本先生は


早い足取りで教室を去って行った




………やばい!


思い出すだけで

また赤くなってしまう

回りから見たら

ニヤニヤしてて変に思われるな


青木くんに

知られたことも忘れ


青木くんありがとう

なんて思っていた



帰宅するとすぐさま愛に

謝罪と今日の出来事を

メールして報告っ


愛は

「全然大丈夫だよ~ん(^o^)」

と一番嬉しい言葉を
返してくれた


愛が親友で良かった…


愛とはしばらくメールをする

もうそれは日課のこと


お互いの恋愛話に

花を咲かせ

夜が明けることも

しばしば


でも今日は

段々青木くんの話題に

なっていった


「顔は良ぃけどねぇ♪ヽ(´▽`)/」


やっぱり愛は昔から

イケメンには目がない


電車の中で見つけたイケメン

の話を何度も聞かされた


「ねっ結夏は今日の人と
 昨日の人だったら
 どっちを選ぶ?ぅちは――。」


結夏にとって

もう当たり前の会話


愛は本当に可愛いくて

モテまくっていた


しかも気遣いも良く

サバサバした性格から

女子からも人気で…


本当にうらやましい限りだった

でもモテてはいるのだが


理想が高すぎる為に

愛は一度も彼氏を

つくったことがない


もったいないとつくづく思う


プルプルプルプル~♪


あっ愛から電話…

また告られたとか?


愛は緊急時には電話をする


どうしたんだろう

とにかく着信の携帯を開いた


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