雪の花びら
講義が終わり、朝日奈さんの家の前。
またインターホンを鳴らすけど無反応。
「今日もダメか…。」
最初の一回目以外、朝日奈さんからメールが来る事もない。
(…帰るか。)
一人歩く雪の中。
「え?」
一瞬、自分の服装が着物に見えた。
しかも女性のモノ。
さらに。
まるで死を覚悟して、もう逢えないような…。
そんな白昼夢のような錯覚を起こす。
「???」
本当に一瞬の事。
頭を振ってもう一度見ると幻だった事はすぐに解った。
「疲れてるのかな…。」
自分に苦笑して今日は早く寝る事に決めた。