雪の花びら
4
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「姫様、召し上がらないと…。」
「うん…。」
解ってる。
食べないと生きていけない。
解ってるけど…。
モノが喉を通らない。
「飲み込み方…忘れちゃったの。」
考えるのは彼の事ばかり。
もう居ない。
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(また夢…。)
もう見たくないのに毎日のように流れる夢。
最初の夢以外で解った事がある。
彼女の好きな人が自分の父親に殺されたという事。
しかも、最初からそうなるんだろうと周りは知っていた事。
彼女も解ってた、けど、彼に生きていて欲しかった事。
そして彼を失って、彼女は食べれなくなった事。
今まで人をそこまで好きになった事なんてなかった。
告白されても断ってばかり。
だから少しだけ、彼女が羨ましいとも思った。
(それにしても…。)
部屋に籠ってそろそろ一週間。
雪も降り続けているだろうけど、怖くて外が見れない。
色々買い込んではいたから外に出なくても生活は出来る。
このままじゃダメな事も解るんだけど…身体が動かない…。