鳥かごと処女
なんとなく、セードルフは亮一郎の異質さに気付いている。

確信が無いので何とも言えなかったが、セードルフも亮一郎の事を忘れたくないと思い、彼がとっておいてくれと言うのなら、自分が保管しておきたいと思ったのだ。

セードルフは教会にある自室に戻り、もらった肖像画を丁寧に包んでいく。


(リョウイチローが居なくなっても、俺達の事を忘れないといい。)


合わせたように、亮一郎とセードルフは、同じ事を願う。
包んだ絵は、大切に大切に本棚にしまい込んだ。


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