鳥かごと処女
亮一郎の話の内容に、セードルフは開いた口がふさがらなかった。
もし、話の最初に「信じて欲しい」と言われていなかったら、小説家何かだと思っただろう。

それぐらいに、信じがたい話だった。


400年以上未来の、日本と言う国から来た事。

祖父の遺品の鳥かごに触れたら、気付いた時にはこの近くの山にいた事。
何もかもが、耳を疑うような話。


だが、亮一郎が嘘を言っているような風では無かったし、薄々感じていた奇妙な
違和感が、セードルフを納得させてくれた。


「つまり、その鳥かごを・・・探すと。」


それにもう一度触れれば、もしかしたら元の時代に戻れるかもしれない。
亮一郎は帰りたいと言う本心を隠しもせず、セードルフに全て伝えた。

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