鳥かごと処女

おかしい。

亮一郎とセードルフの心の中に、嫌な予感がよぎる。
緊張した面持ちで2人は顔を見合わせ、お互いの予感を否定するように首を横に振る。

物騒なのは分かっているが、聖職者を手にかける輩がいるとは、思いたくない。



なんとかいつも通りの生活をしようとしてみても、どうしても気になってしまう。
自然に2人は会話を無くし、黙々と作業を続けた。




昼ごろ。

昼食を取っていた2人は、ドアの開く音を聞き、慌てて走る。
礼拝に来た信者かもしれないとは思ったが、それでも、慌てずにはいられなかった。

いささか乱暴に開けられた、廊下から礼拝所へ続くドアの向こうに居たのは。




「あ・・・。」




驚いた顔をした、エメシェだった。



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