鳥かごと処女
「家だ・・・!!」
亮一郎は誰かに聞けば帰れるものだと、まだ信じたかった。
わずかな望みをかけて、家に近付く。
家は一軒だけでなく、村のようだった。
どれもゲームの中で見るような建物ばかりで、ここが日本では無いということを、亮一郎に知らしめる。
だが、そんなことより。
とにかく腹が減った。
帰りたい。
帰らせてくれ。
眠たい。
疲れた。
足が痛い。
寒い。
誰か・・・
どの家もドアはかたく閉ざされ、誰も亮一郎を受け入れてはくれない。