鳥かごと処女
亮一郎の特技とも言える言語能力は、祖父譲りだった。
小さいころから祖父に憧れ、彼が帰ってきている時には必ずと言っていい程、そばに居て色々な言語に触れた。

ラテン語を覚えたら、イタリア語とスペイン語。英語はそのあと。
イタリア語とスペイン語は、同じラテン語派生で似ているので、少し大変だった。

『はい、ありがとうございます。』
『それを着たら、すまないが今日から働いてもらうよ。』
『もちろんです。』

貰った服は、古かった。
それをすまないと謝られたが、気にしてはいない。

牧師が昔着ていた牧師服は、亮一郎の体にぴったりだった。
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