鳥かごと処女
亮一郎は、1610年のチェイテ城という言葉を思い出す。

だが、何故かもやがかかったように、思い出せない。
祖父から大事な事を習ったと思うのに、どうしてもその記憶が出てこないのだ。

「確か・・・エリザベート・・・なんだっけ・・・?」

思い出せない悔しさ。

思いだそうとすればするほど、どんどんあいまいになっていく記憶。
(いいや。これ、持って出て調べよう。)
そう思い、鳥かごを持ちあげた瞬間。
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