鳥かごと処女
亮一郎に、ここまでしてくれる友人は居ない。
18歳になる今まで、親友と呼べる人物も居なかった。

友人と遊んでいるよりも勉強が楽しかったし、なにより祖父と過ごす方が好きだったから、友人の必要性を感じていなかった。
あまりに孤立し過ぎて、いじめにすら合わなかった。

だから、セードルフが自分の為にと動いてくれるのが、不思議でしょうがない。
彼としては普段通りの行動なのかもしれないが、友人と言う不確かな絆が、ここにはある。
たとえ元の時代に帰るまでだとしても、大切にしてくれている分、大切にしたい。

セードルフは亮一郎に、友人の必要性を教えてくれた。
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