鳥かごと処女
夕方。

2人は夕陽に染まる石畳の道を歩きながら、色々なものを見て回った。
「ここが、エメシェの働くパン屋だよ。」
もうすぐ仕事が終わって、出てくるかもなと、セードルフは笑う。
パン屋の仕事は朝も早いが、終わるのも早い。
「待ってみるか?」
妙に嬉しそうなセードルフに、亮一郎は提案した。

もしかしたら、彼はエメシェに会いたいのかもしれない。
そう思っての発言に、セードルフは笑って頷く。
その顔が赤いのは、きっと夕陽のせいだけではないだろう。
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