鳥かごと処女

「エメシェが、好きなのか？」
「ええ？！」

あいにくと、亮一郎は初恋もまだだ。
真っ直ぐ過ぎる質問にうろたえながらも、セードルフは照れ臭そうに頭をかいて笑う。

「・・・まぁ、そんなとこだ。」
「俺、帰ろうか？」
「いや、むしろ居てくれた方がありがたい。」

亮一郎の鋭さに驚いたが、その心遣いは嬉しかった。
だが、一人で会うほどの勇気も無いし、亮一郎が居てくれると助かる。
牧師は神父と違い、妻帯を許可されているから、恋愛は自由に近い。

「あれ？リョウイチローさんと、セードルフさんだ。」

談笑している後ろから、元気な声が名前を呼ぶ。