鳥かごと処女
少し悲しそうに、レヴェンテは話を続ける。

「その時、姉さんは断ってくれたんですけど・・・ダメですね。俺がもっと早く大人になって、姉さんに負担をかけないようにしないと。」

悔しさと悲しさが入り混じった、複雑な表情。
レヴェンテは自分が幼いせいで、エメシェが城への奉公へ行けないと思っている。

「それは違うだろ。」

セードルフが、慰めではなく本気の言葉で話しかけた。
「レヴェンテはよく頑張ってるよ。あんまり思いつめるな。」
「セードルフさん・・・」
夕陽が、うつむいたレヴェンテの顔を赤く照らした。
「俺、怖いんです。お隣のペトラも、チェイテ城に奉公に行きました。姉さんも、ほんとは行きたいんじゃないかって・・・」

また、チェイテ城。
亮一郎の頭にこだまする、チェイテと言う、名前。
何かあるのは、間違いないのに。
それが何か分からないのが、非常に気持ちが悪い。
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