鳥かごと処女
(なんで、あんなもんが・・・)
日本の明治大学博物館にある事は知っていたが、見た事など一度も無い。
亮一郎が主に興味を持っていたのは古代文明だった為、拷問の歴史など知ろうともしなかった。
時折、祖父が研究していた、魔女狩りの話を聞いただけで。
祖父の蔵で見つけた、あの鳥かごが、何に使われたものなのかは分からない。
だが、あの状況と、エリザベートのやっていたことから推測すれば、ろくな事には使われていなかっただろう事は、明白。
それに鳥かごには、血がついていた。
(じいちゃん・・・)
あの地獄の様な状況を止めに入ろうとした祖父は、やはり勇敢だ。
夢の中であろうと、彼は亮一郎の英雄だった。
しかし、何故こんな夢を見たのだろう。
祖父とエリザベートに直接的な関係は無いはずなのに。