鳥かごと処女
自分だけ違うのだという疎外感は、彼らと居る時には全く感じない。

むしろ、友人と呼びたいと強く思う。

きっとそう言ったところで、彼らは喜んで受け入れてくれるのだろうが、それさえも胸が苦しくなるほどに痛んだ。


いつか、帰る日が来る。


友人たちと過ごすこの楽しい時間が、この時代に飛ばされて得た貴重なものなのだと、亮一郎は気付いていた。

それでも帰りたい気持ちは、根強く残っていて、楽しい時間の中に居ればいるほど、反動で寂しさを感じる。

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