愛 シ テ 【完】
あたしは耳をすました。
「もしかして、木原さんのお母さんですか...?」
「あっ...。すみません、突然」
「い、いえ...」
「......ここに、木原実月はいますか?」
「え、えっと...はい」
「...貴方は?」
「えっと、木原さんに用事があってきたんですが、留守みたいで」
「はぁ...」
「気になって玄関に手をかけたらドアが開いたんで、勝手に上がらせて頂いたんですが」
「そうなんですか。わたし、木原実月の母です。実月とはどういう関係で?」