君が好き
「なぁんだ、春は奥村狙いだったのかぁ」
さえちゃんは肘で私をつついた。
「どういう意味?」
さえちゃんはニヤリと笑って音楽室に入っていく。
ど、どういう意味なの────────?!
部活も終わり奥村くんとの約束を思い出した。
雨はすっかりやんで、少し蒸し暑い。
梅雨だな…
校門には私しかいなくて、少し寂しいけど、この雰囲気好き。
「小山!」
しばらくして奥村くんが私の肩を叩いた。
叩かれっぱなしだなぁι
「待った?」
「あんまり」
全然って言ったほうが可愛かったかな………