君が好き
【春】
合奏が終わったのが19時くらいだった。
今日はなんか調子がいい感じだ。
私は楽器を抱き締めるように階段を降りていった。
「楽器持ってどこ行くの?」
さえちゃんも楽器を持ってついてきた。
「外で吹きたいなぁって」
「あたしもいい?」
大きく頷いて校庭の真ん中に立った。
小さな学校だけど二人きりになると少し広い気がした。
「~♪~∮~」
星空の下。
なんて気持ちがいいんだろう。
けして私、うまくないけど
こんなに気持ちよかったら何の問題ないよね…
「小山さん♪」
急に名前を呼ばれてビックリした。