君が好き


【翔太】




俺は必死に春を追いかけた



階段をこんなに長いと思ったことはないんだ



早く、早く抱き締めて、俺の気持ちを言いたい…




階段をかけ上がる足に力をいれ、いつも以上に早くかけ上がった



「…爽やかすぎるんだよ…」



音楽室につくなり浴びせられた言葉



春には俺は気付いてないだろう。



爽やかすぎる…か




なんだか可笑しくて笑いそうになった



「…翔太くんが私なんか相手するわけない」




あれ?



春なんか勘違いしてんじゃねぇ?



後ろから春を抱き締めた




「え?、翔太くん…?」



相当動揺してるみたいだ



春も、俺も




< 53 / 58 >

この作品をシェア

pagetop