一万回目のプロポーズ
「・・・そうですか」

私はそう一言で黒板を見た。

今は5限目の数学の時間。

クラス全員が眠いのを我慢するのに必死な時間。

(ふぁ~眠・・・)

私は教科書を立てて顔を机に伏せた。

「え~ではここの問題を・・・佐藤。いねぇのか?佐藤琴音」

私は名前の呼ばれたのにも気づかず顔を伏せたまま。


『おい、佐藤さん呼ばれてるよ』

小声で瞬が教えてくれた。

「うわぁぁぁ!?はい!?」

私は勢いよく立ちみんなの笑いものになった。

(え!?どこどこ!?)

私はペラペラ教科書をめくった。

『2.5』

「は?」

『2.5』

「に・・・2.5」

「はい正解だ。今度からはちゃんと授業を聞くように。」

「は・・はい」

私は座った。

でも私は一番に気に食わないのは宿題をやってこないくせにその上頭がいいなんて。

そして休み時間になった。

――――瞬視点――――
「おーい瞬ちゃ~ん」

オレは連に名前を呼ばれた。

「なんだよ。」

「愛しの彼女の知紗ちゃんが呼んでるぞ?」

オレはドアの方を見た。

最近オレは幼なじみの知紗と付き合いだした。

「なんだよ。」

「今日、一緒に帰れる?」

知紗がお得意の上目遣いで聞いてきた。

「部活のあとなら。。。」

オレは答えた。

「なら待ってるね!」

知紗は元気よく自分の教室に戻っていった。

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