【短編】寝ているアイツにキスをした。~柚子side~



「わかってねぇのはどっちだよ。泣いてる理由が俺のせいってなんだよ」



「……そうやって馴れ馴れしくしないで」



「はっ??」



「……っ、あたしの気持ちもわかんないくせに馴れ馴れしくしないで!!」



あたしはそう言って、また樹から逃げ出す。



「待てよ」



でも腕を掴まれてすぐに引き留められる。



「っ……放して……」



「放すわけねぇだろ。俺のこと一方的に責めてといてそれはねぇだろ」



「もう……イヤだ」



「なんだよ。イヤだって」



「……好きな人いるんだったら、あたしに優しくしないで!!」



そう言った瞬間、樹の顔が曇った。



< 18 / 24 >

この作品をシェア

pagetop