【短編】寝ているアイツにキスをした。~柚子side~
でも隣に樹の姿はなく、空しい空間だけが広がっていた。
……樹、昨日の言葉が間違いじゃなければ、あれはほんとだよね??
信じてもいいんでしょ??
あの、好きだって言葉。
「おはよう、お母さん」
「あらおはよう。昨日はぐっすりだったわね」
「うん。なんか疲れちゃったのかな」
「樹くんが部屋まで運んでくれたのよ」
「樹が??」
じゃあやっぱり……。
あれは間違いなんかじゃなかった??
「樹くんにちゃんとお礼言っときなさい」
「わかってるよー。いただきます」
朝ごはんを食べて、学校へ行く準備をする前にシャワーを浴びる。