【短編】寝ているアイツにキスをした。~柚子side~
「……っ!!」
「っ……樹に好きな人がいるって聞いてショックだったの。あたしが樹のことが好きなのに、あたしの恋は叶わないんだって思ってすごい苦しかった。切なくて辛くて。でもそんな樹が愛しくて、この気持ちを抑えることなんかできなかった!!」
「……柚子」
「っ……だから樹のこと諦めようとした。でもできなかった。あの時からずっと樹のことが好きでたまらなかったのに、簡単に諦めるなんてムリだった。だからそう思ったら急に苦しくなって、涙が止まらなかった」
「……じゃあ柚子が泣いてたのは」
「そうだよ。樹のことが好きでたまらなかったからだよ」
「……ごめん、柚子」