【短編】寝ているアイツにキスをした。~柚子side~
「昨日はありがとう。部屋まで運んでくれたんだってね」
「……ああ」
あれ……気のせいかな??
なんか一瞬だけ、樹の顔が赤くなったような気がした。
「どうしたの、樹??」
「……いや、べつに。てかお前、昨日化粧いつもより違うな」
「えっ??そっ、そうかなぁ??いつも通りだと思うんだけどな……」
なんて言ってみたけど、ほんとはすごく嬉しかった。
「そうか??昨日なんか目がパンダだったくせに」
「ねぇ、パンダって言わないでよ。なにげ傷付いたんだから」
「えっ、お前が??」
「なによ」
「いや、べつに。……てかさ、昨日のこと覚えてるか??」