廻る、出会いと別れ
再入院から3週間が経った頃、リハビリは中止となった。


様子を見に行っても、反応が無い日もあった。




ある朝のこと、珍しく声をかけなくても彼女は起きていた。

「また来てね」

久しぶりに見る笑顔だった。

「もちろんまた会いにきますね」


なんだか私も嬉しくなって、笑顔で手を振って病室を後にした。







これが彼女との最後の会話になった。

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