廻る、出会いと別れ
夏休みになると毎年母の実家に泊まりに行っていた。



もちろん宿題もあるわけだからずっと遊べるわけではなかった。





ある日の昼間、居間で宿題をしていると、居間に入ってきた祖父が私たちの傍にやってきた。



また怒られるのかな?

そう思っていると、祖父は無言のまま手を伸ばし、電気を消したのだ。



昼間に電気をつけることが祖父には気に食わなかったらしい。




祖父の行動に一番に言葉を発したのは母だった。



「勉強するときくらい、電気をつけてもいいでしょ?目が悪くなったらどうするの」



そんな母の言葉に、

「そのままでも十分明るい。電気はつけなくていい。ここは俺の家だ、俺の好きなようにする」



そう祖父は言い放った。

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