廻る、出会いと別れ
「今日から田中さんのリハビリを担当します、作業療法士の橘亜美です」
ある夏の日、私は患者さんへあいさつに行った。
「あら、あなたが担当なのね。もう聞いていると思うけど、私はもう先が長くないの」
事前に把握はしていたけれど、まさかリハビリ初日に患者さん自身から聞くとは思っていなかった言葉。
何も答えられず、微笑むしかできない自分がいた。
田中さんは、末期ガン。
痛みに時々顔を歪め、鼻から酸素を吸引している状態だった。
「死ぬ前に一度家に帰りたい」
彼女がつぶやいた言葉。
これが彼女のリハビリの目標となった。
ある夏の日、私は患者さんへあいさつに行った。
「あら、あなたが担当なのね。もう聞いていると思うけど、私はもう先が長くないの」
事前に把握はしていたけれど、まさかリハビリ初日に患者さん自身から聞くとは思っていなかった言葉。
何も答えられず、微笑むしかできない自分がいた。
田中さんは、末期ガン。
痛みに時々顔を歪め、鼻から酸素を吸引している状態だった。
「死ぬ前に一度家に帰りたい」
彼女がつぶやいた言葉。
これが彼女のリハビリの目標となった。