廻る、出会いと別れ
姉と私は最近では、よく祖父の家へ顔を出すようになっていた。



私たちが遊びにいったときに見せてくれる祖父の笑顔が大好きだった。



本当に嬉しそうに笑うんだ。






「また来たな」

そういって、笑顔で迎えてくれる祖父。



「いつでも来い」

そういって、毎回見送りをしてくれる祖父。




初めは、玄関でやり取りをしていた。



それが、居間にいる祖父に私たちが会いに行くようになった。



自室で寝ている祖父に会いに行くようになった。




約1年間での出来事だった。




たった1年間で、祖父はあっという間に弱っていった。


これが老いなのだろうか。



人の儚さを改めて知った。
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