廻る、出会いと別れ
28日、鼻からの酸素吸入だったのが酸素マスクになっていた。


1ℓ/minだった酸素量も、3ℓ/minを超えてしまったらしい。


私と姉は祖父の状態の変化から目を背けることはできなかった。



あー、もうすぐなのかな。

もう長くはないのかな。



誰に言うわけでもないが、内心そう感じていた。


仕事での経験がそう思わせた。





祖父はというと、酸素マスクが嫌なのか、何度も何度も外し、母や伯母に戻されていた。



苦しそうにしながら祖父が言った。



聞き取りにくい小さな声だったが確かに言った。

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