ねぇ…届いてる?

キーンコーンカーンコーン…


遠くで学校のチャイムが聞こえた
『やばい!鳴っちゃったよっ…。式に間に合わない!』

その時
ドンッ…!

『うわっ…すみません!前見れてなくて…』
海美はとっさに謝って顔をあげた。

すると、
『いってぇ…てめぇ、ふざけてんのか。…お前っ…』
厳つい男の人が、海美の顔をみて固まっていた。

『大丈夫ですか?本当にすみませ…『お前、海美か!?今までどこ行ってたんだよっ…』

声をかけた海美は、どうしてこの男の人が自分を知っているのか理解出来なかった。
『すみません、覚えてなくて…あの、名前だけ聞いていいですか?入学式に間に合わないので』


『覚えてない…?そっか…。俺は風雅。思い出したら教えてくれよ。海美になら何度だって出会えるから。』
そう言って男は走り去った。


1人残された海美は、男の人の台詞と名前に違和感を持ちながら学校へと走った。




ねぇ…、どうして大事な人を忘れたのかな。
ごめんね。朔弥…


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