first love【完】
「今冷静になったら、それこそ
何してんだって話なんだけど、
あの時は内緒で欲しいもの選んだり
行きたかったとこ行くのが、
一番咲希を喜ばせられるって
思い込んでて、自分が軽率で
しかも、咲希を悲しませて
傷付けてるなんて、思わなくて…
ほんとにごめん…」
咲希は膝を抱えるようにして座り、瞳は俺を見つめて、本心なのか探っているようだった。
「あと…実は…
手を繋いだり、そうゆうの、
ちょっと避けてるってのあって…
あ、あのキス…したときから…
なんか、ほんとはもっと…咲希に
ふ、触れたいって…で、でも、
それってまずいかな、とか、
イヤらしいとか、言われたりすんのか、
とか…なんか、モヤモヤしちゃって、
自分に抑えが効かなくなるのも
怖くて…それで…なんか…ごめん…」
「わ、わたし、を…キライに
なったんじゃ…ない、の、ね?」
「違うっ!絶対違うっ!!!」
「う、ん…よかった…」
そう呟きながら涙を流す。
「許してとか…言えないな…
でも、今この瞬間からの俺を
みてて欲しい…」
ゆっくりだけど確かに首を縦に振り、返事をくれた。