first love【完】
「知らなかった…」
「言わなかったし」
「水くさい…」
「めんどくせぇ…」
なんだ、こいつらは。
「なぁ、なら真人、俺があの子、
新田さんにいってもいいよな?」
「あ?あぁ、俺がどうこうじゃ
ないし、頑張れば?
なに、タイプ?」
「顔も、性格も、もろタイプ…」
俺は咲希の友達の新田さんと、練習試合で初めてあってから実は気になっていた。
でも、咲希が大変な時で、彼女の事を聞くにきけず、モヤモヤしてたんだ。
これで、真人達からも協力してもらえそうだし、よしっ、今日はいい誕生日会になったな。
…*…*…*…*…*…*…
手巻き寿司と、唐揚げ、そこになぜかビシソワーズ…で、ケーキとフルーツ。
そんな食事をワイワイしながら楽しんで、記念だなんて、写真を撮って。
夜8時、お開きになった。
俺は新田さんを真凛ちゃんと呼ぶことも、ツーショットを撮ることも、アドレス交換することも、ちゃんと抜かりなくやり遂げ、幸せな気持ちで玄関先で3人を見送った。
…*…*…*…*…*…*…
「咲希、俺さ、真凛ちゃんのこと、
好きだから」
妹にはいっとかなきゃ、な。
眼を見開いて驚いたがニコッと「素敵な女の子なの」といって部屋へ入っていった。