first love【完】
ちょうど、1年のマネージャーが降りてきて「決勝戦、集合かかりましたっ」と伝えてくる。
「ほらっ!みんな行って!!」
あたしはその場にいたメンバーにコートに行くように声をかけて、咲希をどうするか考えていた。
「咲希…行ってくる。
俺らしく、最高のパフォーマンス
してくるから…」
竜斗はそう声をかけて、頷く咲希の頭をポンポンとして走り去った。
咲希は1年のマネージャーにお願いして、2階席に連れていかせあたしはベンチに。
……試合が始まった。
先程とはまるで違う動きの竜斗を中心に、チャンスを必ず得点に繋げ、善戦してる。
でも、相手のS市代表校は県大会の常連で、今大会で一番全国に近いと言われてたチームだから、そうそう上手くは得点が伸びない。
それでも、食らいつきボールを奪おうと踏ん張ったり、リバウンドをもぎ取ろうとしたり…
みんなが輝いて見えて、心から楽しんでバスケしてるのがよくわかった。
そして竜斗は今日最高得点をあげた…が…
善戦むなしく5点差をブザービーターで2点差までしたところで終了してしまった…。
みんなの顔に汗とは違うものが、あったように見えたのは気のせいかな…。
咲希はなんとか試合を応援し続けてた。
あぁ…終わってしまったなぁ。
暑い、熱い1日が終わったんだ。