first love【完】

『不安』竜斗side



病室で話を聞いたあと、人生“初!!”の警察車両で送ってもらい、母親にも説明して貰った。


その夜、校内で協力してもらうため、真人と森田などバスケ部のやつらに電話しまくった。


みな、驚きの声をあげ、その後はほんとに思いやりのあるコメントをくれて嬉しかった。


咲希を気遣う言葉や、水くさいだの当たり前すぎだの、ほんとに心強かった。


…*…*…*…*…*…*…


翌日から学校への登下校に、刑事さんらしき人がついてくるようになった。


時間があるときは母親が車で学校の近くまで送ってくれる日もある。


校内では森田や真人らバスケ部員と必ず居るようにした。


そうやって過ごすうちに一週間ほど経ち、咲希が回復してきたので、退院した。


今のところ何も起きないし、手紙なども咲希にも俺にもこない。


警察も実際、傷害事件があったとはいえ、いつまでも付きっきりで…とはいかないんじゃないのかなぁ、なんて思ったりする。


咲希が退院したことで、咲希にも人がついたって話だったし…


9月の最後の日、久しぶりに手紙、というか荷物がストーカーから咲希に届いた…“以前借りたから返す”というメモとタオル。


咲希はそれでいつ会ったことがあるのか思いだした。


…*…*…*…*…*…*…


タオルが送られてから数日、特に動きがなく咲希の登校が決まり、咲希の家で今後について話し合いがあった。

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