first love【完】

「大好き」真凛side

今わたし…大好きな人の腕の中に抱き締められてる!!


恐る恐るわたしの腕も彼の背中に回してみる、と…


彼の腕にさらに力が入り、「真凛は？俺をどう想ってる？」ってこもった声が耳元で聞こえる。


「あ、ぁ…わたし、も…
義希君…す、きぃ…好き…だよ…」


恥ずかしかったけど伝えたかった。


「嬉しい…ありがとな…」


優しい声でそう言ってくれる義希君をもっともっと感じたくて、わたしもギュッて手に力を入れた。


…＊…＊…＊…＊…＊…＊…


咲希ちゃんとようやく親友って思えたころに、初めて彼女のお兄さんにあった。


めちゃめちゃかっこよくて…ぼぉ～っと見るだけで精一杯…。


少しずつ咲希ちゃんから聞き出すけど、今カノがいるのかは分からなかった。


学校が違うから、咲希ちゃんとバスケだけが繋がる線…。


誕生日や放課後、夏休み中もなるべく咲希ちゃん家に遊びに出掛けた。


いろいろあったとき、わたし…咲希ちゃんを励ますつもりがいつの間にか義希君のこと聞いてたり、彼は大丈夫かなぁなんて思ったり…


親友なんていいながら恋を優先しちゃう自分が情けなくて嫌いだった。


でも、彼への想いは止まらなくて、何となく咲希ちゃんも応援してくれてる気がして、想いは大きくなってた。