first love【完】


店に着いて、中に入るとふわぁんと美味しそうな匂いがする、こじんまりとした温かみのある店内にほっとする。


席に案内されて、咲希がコートを脱いだ…


可愛い…俺はポカンと咲希に見惚れてしまってた。


白っぽいコートの下に、咲希にしては珍しいフンワリ膨らんだ感じの濃いグレーのミニスカートに、うす~いピンクの肘くらいまでの袖でスッキリシルエットのふわふわニット、タイツに膝まである黒のブーツ…


それに今日はほんのり頬も赤くて…髪も片側にまとまってクルクルしてて…


「竜…?」


既に座ってる咲希が俺に呼び掛ける…


「あ…ん?あぁ…座る…」


いつも可愛いとは思うけど、今日はドキドキがなかなかおさまらなかった…


「ここ…いい店だね…?
俺、知らなかったな…
家から近かったのに、ありがとな」


そうしてしばらくすると、店員が料理を持ってきてくれた。


小振りなカップに入ったミネストローネと、サーモンを使ったサラダ、次にホタテのソテーと温野菜のプレート、メインにチキンの照り焼きとパン。


咲希には量が少な目になってて、俺のは肉とかも大きめで気遣いが嬉しい。


ここまで、和やかにいろんな話をしながら食べ進める。


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