first love【完】


しばらく考えていた兄が「あいつか…」と呟いた。


思い当たったようだ。


…*…*…*…*…*…*…


私の兄、星谷義希(ほしやよしき)、高2。


双子の兄…だが、全てにおいて私と180°違うため、また、二卵性のため、歳の違う兄妹にしか思われない。


そして、私の通う学校の近くにある、男子校に通い、バスケ部。


背は182㎝と高く、細身だが、キレイな筋肉がつき、しなやかな動きは羨望の的。


顔つきはキリッとしていてクール、あまり笑わないといわれてるが、そこがいいらしく、かなりモテている。


…*…*…*…*…*…*…


「春休みに確か、合同練習したな…」


まだ一人でぶつぶつ言ってる。


「部屋…行くね…」


独り言を言ってる兄に声をかけて2階へ上がろうとしたら、「後でまた聞く。」なんて後ろから言われてしまった。


…*…*…*…*…*…*…


大きくため息をつき、自分の部屋に入る。


今日1日で、どれだけドキドキして緊張して、泣いてしまったのか…。


とにかく、この約24時間でいろんなことが変化し、戸惑う自分と嬉しい自分と…


まとまりがつかず、呆然としてしまうばかり。


さらには、兄が桜井君を知っているらしく、それが何だか妙な胸騒ぎというか…。


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