first love【完】
明朝から、もしかしたら一緒に駅から登校するかもしれない。
嬉しい。
でも学校の人に会って、また何か言われてしまうかも…いや、確実に言われるだろう。
その時、私は我慢、するのかな?
彼の横を歩いている自分を想像するが、とても似合わなくて、自分にガッカリしてしまう。
そもそも、桜井君は私の何をいいと思って…“いいよ”なんていったのかな?
!!…それに………
今、気がついてしまった。
私はあのとき、「桜井君が好き」と言った。
たぶん、そこも聞いていたんだと思う。
でも、あのとき桜井君は「いいよ、カレカノ」とは言ったけど、「星谷さんを好き」とは言って、ない……。
一言も………
………
……
からかわれている?
私はどうするべきなのか、分からず戸惑うばかりだった。
…*…*…*…*…*…*…
夕飯で兄が「明日、駅前で買い物付き合って」と言ってきた。
部活で忙しい兄は試験休みのときだけ、こうして誘ってくれる。
普段と変わらないことだから、私は特に何も思わずに承知した。
そして、「後で聞く。」といったわりに兄は特に何も聞いてはこなくて、私はホッとした。