first love【完】
次の休み時間には真人がこっちにやってきてまた、昨日のことを話してくれた。
咲希は教室内で見る限りいつもと変わらないように思うと真人は言う。
クラスのやつに充電器をかりて携帯の電源を入れる…途端にメールを8件ほど受信し、真人や森田らのに混ざり、咲希から来ていた。
“星谷義希、双子の兄”と説明されていて、バスケ部員に怒鳴られたことは書かれてなかった。
“メール今みたよ、昼にちゃんと話そうね”そう書いて咲希に返信し、昼までソワソワしながら過ごした。
…*…*…*…*…*…*…
体育館裏には両手でお弁当箱を抱えて立っている咲希がいた。
「咲希っ!!」
こちらをみた咲希は笑顔だった。
ホッとしながら隣に座ると「はい、ハンバーグです」と渡してくれた。
「ん、ありがとう。
咲希…食べる前に、昨日の話し
してもいいかな?」
「はい、大丈夫です。」
「まず、ごめんっ!
勝手に勘違いしたこと、
聞かずに帰ったこと、
仲間が酷いことしたこと…
それに、携帯…
夕方に電源落ちしててさ、
朝まで気がつかなくて、だから、
メールも、さっきになって
それ、全部ごめん…。
で、ありがとう。」
そこまでを頭を下げたまま一気に話し、“はぁ~”と思いきり息をする。