first love【完】
嫉妬*
「邪魔…」咲希side
図書館で勉強して、公園で桜井君の気持ちを伝えてもらい、モヤモヤがなくなった。
そのまま家の前まで送ってもらうと、兄が出てきて、私を見て「まぁ、補欠合格ってとこかな…」と言ってまた、中に戻ってしまった。
後から桜井君に、兄との約束の話を聞き、あれは兄なりの“認めてやる”ってことなのだと、理解した。
中間テストが終わり、私は八番、桜井君は全体の半分以内に入り二人とも満足のいく成績で、また日常が戻ってきた。
…*…*…*…*…*…*…
朝練のある月・水・金はお昼まであまり会うことはなく、昼休みに体育館裏で一緒に食べるが、雨の日は体育館の入口側で食べた。
火曜は部室で昼ミーティングがあるそうで、お弁当を朝のうちに渡しておく。
木曜だけが、登校も昼休みも一緒だ。
そして、私はどの日も、6時まで中庭で待っているが、梅雨のため雨が降ってる日も多く、そんな時は花の世話をしたら、図書室にいることにしていた。
6月も下旬、付き合って1ヶ月が過ぎようとしてた。
前から、“火曜のミーティングは静かにしてたら部室で一緒でもいいんだよ”と言ってくれてた。
それとなく、中野君に様子を聞いたら、3年など数名は彼女が部室にいる人も、と教えてくれた。
その時、桜井君が部室に私が行くことを待ってるようだ、とも言われて勇気が出せたら…なんて思ってた。